不登校・行き渋りの支援と相談先

子どもが「学校に行きたくない。」と打ち明けてくれた時、どうされていますか?

我が子も、行き渋りが出る時期があり、一度休むことを認めてしまうと ずっと続いてしまうようで、なかなか思い切ることができずにいました。
 

そんな時に参加した 信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授 本田秀夫先生のセミナーで、このようなお話をされました。

子どもが登校をしぶることを「その子が悩み始めた段階」だと思っている人が多いのですが、その理解は間違っています。

登校しぶりというのは、子どもが悩み抜いて疲れ果て、自分でできることはすべてやり尽くしたという、最終段階のSOS

本田秀夫(信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室教授・同附属病院子どものこころ診療部部長)


最終段階という言葉に、胸が苦しくなりました。
言葉でうまく伝えられない息子ですが、何度も体温計で熱を計ったり、朝もなかなか起きれず情緒も不安定な様子をみていると、最終段階という言葉がしっくりきました。

なんの手立てもせずに「大丈夫よ」「行っておいで」と言うことは、とても酷なこと。

本人の思いを聞ながら どうすればいいか一緒に考えたり、理解ある先生との連携の中で解決することもありますが、それだけでは解決できないこともあります。
 
 
学校は「行く」「行かない」という両極端な選択になりがち。
「行かない」「行けない」が続いてしまうことで、

勉強が遅れてしまって授業についていけなかったらどうしよう…
お友達の目が気になる。輪に入れるか心配…など、

違う心配事が出てきて、さらに登校へのハードルがあがってしまうこともあります。
 
 
安心して登校するためにはどんな方法があるのか?」
「相談したいとき、どんなところがあるのか?
「現在通っている学校以外での学びの場所」についても、まとめてみたいと思います。

けっけ
けっけ

「行く」にしても、
遅れて登校、早めに帰る、保健室などの別室登校、カームダウンスペースの使用など、
本人が“これなら行けそうかも”と思える環境作りも大切だと思います。

https://president.jp/articles/-/63581

文部科学省HPより

不登校児童生徒は9年連続増加。(令和3年度の小・中学校における不登校児童生徒数:約24万5千人)

不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにすることを目指し、誰一人取り残されない学びの保障を社会全体で実現するためのプランを、文部科学大臣の下とりまとめが行われました。

COCOLOプラン

誰 一 人 取り残されない 学びの保障に向けた 不登校対策

1 不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整える
2 心の小さなSOSを見逃さず、「チーム学校」で支援する
3 学校の風土の「見える化」を通して、学校を「みんなが安心して学べる」場所にする

引用:文部科学省 COCOLOプラン 大臣メッセージより(令和5年3月)
引用:文部科学省 COCOLOプラン
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1397802_00005.htm

【参考資料】COCOLOプラン 

けっけ
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国や自治体が 現在どのような方針で動いているのか?
また、実際にどのような支援を受けることができるのか?

事前に知っておくことで、いくつかの選択肢の中から
自分に合う学び方や支援について子どもと話をすることが出来たり、
また学校や先生方へ相談する際にも有効かと思います。

相談窓口一覧

毎年 学校から、【電話相談窓口一覧】の文書が配布されています。

最近は、24時間対応、LINEや、学校で使っているタブレットからログインして相談ができたり、虐待、性犯罪、ひきこもりなど専門の相談窓口も開設され、専門知識のある方と繋がりやすくなっています。

「熊本県24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)なやみ言おう」は、
24時間対応。子どもが直接電話して話すこともできるそうです。

熊本県 教育委員会事務局 学校安全・安心推進課

■熊本県電話相談窓口一覧(令和5年度版)(pdf)

熊本市 教育委員会事務局 学校教育部 総合支援課

■令和5年度(2023年度) 相談機関一覧 熊本市教育委員会

熊本市HPより

登校児童生徒への支援は「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、「社会的に自立する」ことを目指して行う必要があります。

不登校は誰にでも起こり得ることです。
・不登校は問題行動ではありません。
・不登校という休養が必要な場合もあります。

熊本市も、不登校児童生徒の社会的自立に向けた様々な支援を行っています。
通っている学校、教育相談室、総合支援課学校サポート班にご相談ください。

引用:熊本市HPより(教育委員会事務局 学校教育部 総合支援課 更新日:2023年6月12日)

不登校は誰にでも起こり得ることで、学校に登校することが目標ではないこと。

また、不登校になった場合も、様々なサポート体制があり、その子に合った学びの場所があることが書いてあります。

不登校児童生徒の支援について

引用:熊本市HPより(教育委員会事務局 学校教育部 総合支援課 更新日:2023年6月12日) 
https://www.city.kumamoto.jp/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=43800

学校

校内の先生に相談

心配なことがある場合、まず 担任の先生と話をされると思います。

担任の先生と相談する中で、話がもつれてしまったり、気持ちを汲み取ってもらえないことなどある場合、冷静な判断ができる 支援等にも詳しい第三者を入れた方がいいのではないかと思われることもあるかと思います。

そんな時は、担任の先生との話し合いの時に、校内の先生に同席をお願いして話を進めることをおすすめします。

■特別支援コーディネーターの先生(校内に数名)
■養護教諭(保健室の先生)
■校長先生・教頭先生 など

スクールカウンセラー(SC)心理の専門家に相談

スクールカウンセラーは、様々な悩みを抱えている“困っている”児童生徒に寄り添い、抱えている悩みを軽くする、また一緒に解決に向けてサポートしていく心理の専門職です。各学校に配置され、高度な専門的知識、技能に基づいたカウンセリング等によって、問題解決を図ります。(熊本市HPより)

■臨床心理士等の専門の知識をお持ちの先生
■月に数回 配属(要予約)
■相談の申込み
・通っている学校養護教諭の場合が窓口のことが多い。確認要)
・熊本市 教育委員会 総合支援課 学校サポート班(096-328-2743)

けっけ
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息子の通っていた小学校では、
入学・進級の際【スクールカウンセラー(SC)面談依頼】の用紙が毎年配布されていました。
また、年度途中での申込みは、養護教諭が窓口となってくださっていました。(学校によって違う場合もあるので確認要)

SCとの面談は、児童のみ、保護者のみ保護者+児童同伴など、選ぶことができ、相談希望を伝えると、後日 相談日の日時の連絡がきました(相談時間は、1時間位)

息子のことで面談をお願いした時は、面談の最後に、今回話した内容について担任の先生に報告してもよいか確認もありました。

スクールソーシャルワーカー(SSW)福祉の専門家に相談

 スクールソーシャルワーカーは、様々な問題を抱えて“困っている”児童生徒に対して、その児童生徒がおかれた環境へ働きかけたり、必要な社会資源につないだり、学校や関係機関と協働するなどして、問題の解決を図る福祉の専門職です。(熊本市HPより)

■社会福祉士、精神保健福祉士など専門の知識をお持ちの先生
■学校から依頼を受けて派遣
■相談の申込み窓口
・通っている学校確認要)
・熊本市 教育委員会 総合支援課 学校サポート班(096-328-2743)

ケース会議を開く

近況報告や情報交換、何かあった際には対応についてそれぞれの立場からの意見を聞く。
(保護者・支援学級担任・交流学級担任・校内の特別支援教育コーディネーターの先生・相談支援事業所・保育所等訪問支援事業所 など)

■窓口:相談支援事業所(通所受給者証を所持の場合)
■参加者(例):保護者、担任の先生(支援級・交流級 など)、利用中の放課後等デイサービス、保育所等訪問支援事業所、関係各所(主治医など 必要に応じて)

熊本市の場合、相談支援事業所が窓口となってくださる場合が多く、
息子の時も、「ケース会議を開きたい」旨を相談支援事業所の方に伝えると、
先生方や関係各所とのスケジュール調整や段取りをしてくださいました。

保育所等訪問支援の利用

児童発達支援や放課後等デイサービスと同じ「障害児通所支援」(通所許可証が必要)
保育所(保育園)や幼稚園、小学校などに訪問し、学校での活動の様子を専門的視点で見て報告・アドバイスをもらう。

■窓口:保育所等訪問支援事業所

学校行事の兼ね合い等もあり、訪問していただくのが難しい場合もあります。

息子は現在利用中ですが、理学療法士の資格をお持ちの方に訪問していただき、学校や授業の様子を専門的な視点で報告・アドバイスしていただいています。

行政

学校教育コンシェルジュ

保護者が学校のことで相談しにくい、あるいはどこに相談してよいかわからない等、学校教育のあらゆることを相談することができる。教育や福祉の専門家が相談に応じ、中立・公平な立場で相談者に寄り添いながら、必要に応じて学校へ出向くなど、学校と保護者の橋渡しをすることで問題解決を図る

■保護者からの電話、メール、面談による相談受付
■専用電話番号:096-362-7171
■相談日時:月~金曜日 午前10時00分~午後6時00分

学校教育コンシェルジュ 紹介(pdf)

教育相談(来所相談)

 ■いじめや不登校など教育に関することを、教育相談室(096-362-7070)へ来所し相談できる。(あいぱる2F/事前に予約要)
 ■相談日時:月~金曜日 午前9時30分~午後3時45分
 ■対象:熊本市内在住の小・中・高校生本人とその保護者及び学校関係者
 

教育支援センター【フレンドリー】

■不登校状態にある子どもの社会的な自立を支援することを目的とした活動の場
■対象:熊本市内在住で不登校の状態にある小・中学生
■活動内容:スポーツ活動、パソコンを使った学習、仲間づくり活動、ものづくり活動、学習、体験活動
■熊本市内に6教室
 (あいぱる大江教室、火の君教室、植木教室、清水教室、新町教室、託麻教室)

フレンドリーの概要(外部リンク)

詳細は熊本市 教育委員会 総合支援課 教育相談室(096-362-7070)まで問い合わせください。

フレンドリーオンライン

■教育ICTを活用したオンライン学習支援
■配信拠点校(本荘小学校・芳野中学校)
■対象児童:熊本市に在住する児童生徒で別室等、学校等での支援以外を希望する登校が難しい児童生徒

フレンドリーオンラインの概要(外部リンク)

詳細は熊本市 教育委員会 総合支援課 総合支援課学校サポート班(096-328-2743)まで問い合わせください。

ユア・フレンド事業

「学校に行きたくても行けない。」「教室に入ることができない。」等、悩んでいる子どもたちのところへ、熊本大学の学生が1週間に1回、1~2時間程度、教室以外の別室(保健室など)またはご家庭を訪問し、一緒に楽しく過ごす活動をしています。

ユア・フレンドの概要(外部リンク)

詳細は熊本市 教育委員会 総合支援課 教育相談室(096-362-7070)まで問い合わせください。

☆小規模特認校制度(ハーモニースクール)【※令和6年(2024年)4月開校】

熊本市では、複式学級がある、もしくは複式学級となる見込みのある学校について、従来の通学区域は残したまま市内のどこからでも入学・転学を認める小規模特認校制度(ハーモニースクール)を令和6年度から導入します。

小規模特認校(以下「特認校」)に通学することにより、各学校の特色や少人数のよさを生かし、一人一人の子どもに対して個に応じた行き届いた教育や様々な体験活動を行うことで、確かな学力と豊かな人間性を培うとともに、複式学級をはじめとした小規模校の通常学級における課題解消と教育活動の活性化を図ることを目指します。

■対象となる小学校(複式学級のあるもしくは複式学級となる見込みのある学校)
・本荘小学校
・中緑小学校
・川口小学校
・山本小学校

https://www.city.kumamoto.jp/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=47553

☆県立夜間中学校(ゆうあい中学校)【※令和6年(2024年)4月開校】

■湧心館高校(熊本市中央区)敷地内に新築
■入学対象者:熊本県在住の15歳以上で、義務教育を修了していない方、又は卒業しても様々な理由により十分に学ぶことができなかった方(国籍は問いません)

県立夜間中学校生徒募集(pdf)

https://www.pref.kumamoto.jp/site/kyouiku/list179-677.html

民間

フリースクール

学校以外の場所で学習や体験活動ができます。

文部科学省は「義務教育段階の不登校児童生徒がフリースクールなどの外部施設で指導を受けた場合、一定の要件を満たせば出席扱いとする」と公表しています。

    文部科学省|義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて

    要件を満たした上で、現在 籍のある地域の学校の学校長が、フリースクールの活動内容が出席扱いに該当すると判断した場合に認められます。

    https://www.city.kumamoto.jp/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=43800

    不登校児サポート事業

    フィールド

    ■認定NPO法人 NEXTEP
    ■園芸療法を取り入れた「わくわく農作業体験」
    ・野菜の植え付け・収穫
    ・採れた野菜でご飯作り
    ■自然体験
    ・川遊び、山登り、キャンプ、天体観測、水源訪問 など
    ・四季や自然を感じる活動
    ■対象:不登校や心身症の子供たち(7~8名)一般参加者(約10名)
    ■活動日:月1回 最終⽇曜⽇の9時〜15時

    https://www.nextep-k.com/works/field/

    その他

    【LINE】学校休んだほうがいいよチェックリスト

    子どもが「学校休みたい」「学校行きたくない」と言っているけど、休ませていいのかな?と心配になっている保護者の方に向けたチェックリストです。

    この「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を使って、「まだ学校に行っていても良さそうだな」「これは休ませた方がいいな」と保護者の方がご判断する後押しになれば良いかなと思います。

    こちらのチェックリストは不登校のお子さんやご家族の支援をしている、不登校新聞 / キズキ / Branchの3社で開発しており、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センターの松本 俊彦先生に監修して頂いています。(HPより)

    https://branchkids.jp/lp/oyasumi-checklist

    さいごに

    情報については 随時更新予定です
     

    皆様からの情報・経験談などもお待ちしております!!

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